SF201803

米国管理会計人協会(IMA)では毎年会計人のサラリー調査を行って発表しています。

とりわけ、CMA(R)(米国公認管理会計士、Certified Management Accountant、CMAはIMAの米国での登録商標です)の保有者が賃金面でいかに優遇されているのかを調査するところに問題意識があります。

私もアンケートに回答しましたが、残念ながら日本では今時点CMAは200人にも満たず、十分な回答を得られなかったからか、日本としての個別の数字は開示されておらず、アジア(ほとんどが中国とインド)の中に含められています。

以下、結果のサマリーです。

CMA保有者は非保有者より67%高い報酬を得ている

【私の見解】
仮説として理由は3考えられます。
1.CMA保有が高く評価され、そのことが報酬額を引き上げている。
2.そもそも高い報酬を勝ち取り得る高い実力の持ち主だからこそCMA試験を突破できている。
3.CMA試験を受験し、これを取得することが契機となって能力が高まった。

少なくとも日本では、1よりも圧倒的に2・3である可能性が高いでしょう。

特に下級管理者においてその傾向が顕著である

CMA保有者は非保有者に比べて、
・下級管理者層では、+88%
・中級管理者層では、+60%
・上級管理者層、+61%
・経営者層、+40%
高い報酬を得ていると報告されています。

IMAでは、このように説明しています。
「下級管理者層においては、しばしばCMA資格取得することによってダイレクトに賃金が上がる制度が存在する」
日本でも資格手当という制度を持つ会社は珍しくません。

【私の見解】
上位職位に進むほどCMAと賃金との関係性が薄まるのは、ある意味当然です。資格を持っているだけで高い賃金が保証されるほどビジネス社会は甘くはありません。
それでも、いずれの階層においても大きな差があるのは、ほぼ間違いなく上記2もしくは3が理由と考えられます。

CMA(米国公認管理会計士)保有者は
CPA(米国公認会計士)保有者より高い報酬を得ている
CMA・CPAダブル保有者が最も高い報酬を得ている

【私の見解】
CMAが職業独占資格であるCPAよりも報酬面で優位である、というのは意外感があるかもしれません。
日本で会計の最高資格と言えば言うまでもなく、公認会計士だからです。

しかし、米国のCPAと日本の公認会計士とを同じように考えない方が良いと私は考えています。

米国のCPAは財務会計(外部報告目的の会計)の専門家であり、監査をその業務としている人たちであり、日本の公認会計士とはかなり異なるように思います。
米国では管理会計を中心とした経営管理については、CMAの守備範囲となっています。
日本の公認会計士も本来的な業務は米国CPAと同じ監査ではありますが日本の場合、より広範な業務(ファイナンス、M&A、時には経営コンサルティングまで)をこなす専門家集団と考えられます。
もちろん、日本の公認会計士も監査法人に属しておられる方々は、監査がメインで米国CPAと実質的には変わらないのかもしれませんが、、、

そのような監査は言ってみれば単純な法適用論であり、企業経営への貢献という意味では、「資本市場からの円滑な資金調達」ということが大半の意義であり、
より深く広く経営にかかわるCMAの方が高い報酬を得ているというのは、ある意味当然なのかもしれません。

また、単純な法適用論は人間よりもコンピュータが圧倒的に得意とする分野であり、将来性の観点からも価値は下がり続けると予想されます。

「CMA・CPAダブル保有者が最も高い報酬を得ている」については、当然ということだろうと思います。

結論

【私の見解】
1.職業独占資格ではないCMAや当協会が主催する認定管理会計士・管理会計検定などは資格取得や試験合格という事実よりも、むしろそこに至る過程での能力開発、そして取得後のたゆまぬ自己研鑽と実務への適用努力が非常に重要であると言えます。

2.コンピュータに容易に置き換えられる職業専門家を目指すよりも、より経営に深く広く係る専門職能を開発することが重要です。

3.その意味でCMAや当協会が主催する認定管理会計士・管理会計検定などは日本においても今後重要性を増し、ビジネス社会からの注目を得るようになると思われます。

最後は多少手前みそ気味になりましたが、ひいき目を除いても大きく結論は変わらないでしょう。

 

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