IMA&Waseda
昨日、早稲田大学と米国のIMA(Institute of Management Accountants,管理会計人協会)共催のイベントに行ってきました。

早稲田大学を知らない人はいないですが、IMAは初めて聞いたという方も多いでしょう。

IMAはアメリカをはじめ世界各国において管理会計の普及活動を続けている非常に歴史のある団体で、CMA(Certified Management Accountants,公認管理会計士)という資格などを主催しています。
東京支部は早稲田大学の清水孝先生の研究室に置かれています。

アメリカでは、日本と異なり、外部公開目的の財務会計(Public Accounting)の資格CPAと経営管理目的の管理会計(Management Accounting)の資格CMAが明確に分かれており、両資格は同等に高く評価されています。
(Salary調査では、CMAの方がCPAよりも成功しているとも言われています)
日本の公認会計士は本来的には実はCPA、つまり前者に該当するわけです。

しかしながら、日本にはこれまで管理会計に真に特化した資格はありませんでした。(弊協会でその事業をはじめたわけですが、、、)

さて、そのようなIMAが日本で初めて(?)日本のCMA資格保有者を対象にして実施したセミナー&ワークショップがこのイベントであったわけです。

テーマは”Fraud and Ethics”(不正行為と倫理)

IMAはこのテーマを非常に重視しており、我々CMAが資格維持するために義務付けられているCPE(継続教育)において年間最低2時間のEthicsを含めることが要求されています。
昨日のものはこのCPE取得を兼ねていました。

前半はIMAヨーロッパのDirectorからのお話しとワークショップでした。
内容はアメリカのDiamond Foodsの粉飾事例がテーマでした。
粉飾の手口というよりも、何故粉飾が引き起こされたのかということについて、不正のトライアングル(Presseure/Incentive, Opportunity, Rationalization)、つまり高い業績を義務付けられるプレッシャーや逆に高すぎる金銭的なインセンティブ、不正を犯せる機会(強い権限、権限の集中など)、不正を自分の中で正当化できること(彼もあの会社もやっている、これは会社のためなんだ、、、)を中心に議論されました。

Diamond Foodsでは、当時新たな企業買収のために投資家の評価を維持し株価を高めておかなければならない、既にビジネス界で有名人であったCEOが経営に失敗できない、多額のボーナスなどといったプレッシャーとインセンティブが多数存在し、強い権限を持つCEOとCFOとが結託して、これは会社のためなんだという自己正当化もあり、見事にトライアングルが成立していたと分析されました。

会計的手法としては、材料費についてその一部をAdvance(前渡金)として費用化しない、という誠に単純なもので、私からすると監査法人による監査でなぜ発見できなかったのか誠に不可解に感じるものでした。
前渡金や前払費用などといった費用の繰延勘定が急激に増えている場合には粉飾を疑うというのはある意味常識なのです。

後半は、早稲田大学のアメリカ人教授からのお話しとワークショップでした。

テーマは、オリンパスと東芝の粉飾、
このテーマでも会計手法というよりその原因に焦点が当てられました。

いずれの会社もびっくりするほどその原因に共通点が見られました。
講義と議論の中から出てきたキーワードをお示ししておきます。

・経営の中核が腐っていた
・反対が許されない、反対したらクビになりかねない組織文化があった
・結果として”Rock the Boat”、不正をみつけても、何もせずじっとしている
・会議をしても、最後は議長(会長・社長)の鶴の一声で物事が決まる
・不正を防止する制度(監査委員会、内部通報制度、内部監査など)はあったが形骸化し機能していなかった
例えば東芝の例では、監査委員会の4人のメンバーの内ひとりは前CFO、残りの3人は社外で会計に疎い人、などという具合。
・極端に高い率の成功報酬制度

アメリカでEthicsが強調される、それは強欲資本主義が原因で日本には関係ない、
などとは言っておられません。
日本には日本特有の不正の温床が存在するということです。

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