今月は、久しぶりに財務ゲームを使った利益計画演習を2度実施しました。
1回は某超大企業の関係会社での研修会、1回は三菱UFJリサーチ&コンサルティング主催のセミナーでした。

さて、利益計画とは何のことか?
管理会計検定のテキストでは、「単年度の経営計画、あるいは3~5年程度の中期経営計画において、利益と売上高、費用の目標と、それをどのように達成していくかを示す計画」のことと定義しています。

経営方針とは何か?
様々に定義されますが、私は「経営目標+経営戦略」と定義しています。

さて、ゲームでは、まず目標利益を決めていただきます。
次にその目標利益を達成するための施策を各グループで検討していただき、その結果を数字で表現していただきます。
何らかの施策は費用に影響を与えます。
費用の増減、売上の増減を勘案しつつ目標利益を達成する方法を考えていただきます。

検討のプロセスにおいて、利益公式を使って様々にシミュレーションしつつ、目標利益を達成できる現実的な施策を明らかにしていだくことになります。

利益公式1
売上高=(固定費+目標利益)÷限界利益率

たったこれだけの単純な公式を使って、シミュレーションをするわけです。

検討の結果として決定した施策は審判に通知されます。
各グループから施策が出そろったら、審判の方で一定のルールで各グループへ受注高が割り振られます。

この結果を受けて各グループで決算を行う、そのような流れて何サイクルか同じことを繰り返すというわけです。
そのプロセスにおいて、経営施策と損益との関係を体で覚えていただきます。

ところで、利益公式にはもうひとつあります。

販売数量=(固定費+目標利益)÷単位当たり限界利益

この公式を使ったシミュレーション演習としていつも受講者の皆さんにやっていただくのが、お好み焼き屋さんの利益計画です。

経営施策は数字に反映されます。
お好み焼屋さんの場合、例えば、

客数10,000人=(固定費500,000円+目標利益200,000円)÷1人当たり限界利益70円

これは、どういう経営方針を示しているでしょうか?
明らかに薄利多売型、
顧客1人当たり限界利益70円の構造は、販売価格100円-1人当たり変動費30円=70円
これはもはやお好み焼ではありません。
大阪で一時人気があったキャベツ焼きです。
薄利多売にするために固定費を抑え気味にしているところを次の例との比較で感じ取ってください。

客数200人=(固定費1,000,000円+目標利益600,000円)÷1人当たり限界利益8,000円

これはある会社の研修会で実際にある方から出されたパターンです。
1人当たり限界利益8,000円、これももはや単なるお好み焼屋さんではありません。
ステーキや伊勢海老などを提供する高級な鉄板焼き屋さんをイメージします。
高級路線ですから、店の内装もこだわり、サービスも充実し、広告宣伝にもお金を使うため固定費は1,000,000円と高くなっています。

利益計画とは、このようにどのような経営施策を講じるのかということと密接不可分につながったものである必要があります。
昨対+5%・・・などといった過去の延長線上の予算編成などとは本質的にその意味が異なります。

変化を続ける経営環境の中、環境に適合し、必要な利益を確保するためには、競争優位性の高い戦略を構築する必要があります。
そのような戦略は数値目標との整合性を持った時に初めて意味のあるものになります。

戦略なき数値計画には意味がありません。
そして、数字の裏付けのない戦略は実現しない運命にあります。

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