前回は、過度な分業がコミュニケーションコストを増大させるということを申しました。

 今回は、過度な分業によって起こる組織にとって不都合な現象を整理しておきたいと思います。

 ひとつは、仕事の単調化です。

 個々の社員は、専門化された業務を黙々とこなすことになります。単純化された反復作業は単調化します。
 考える必要のない単調な作業は一見能率を高めるように思えますが、仕事に取り組むモラールは低下します。

 ふたつ目は、部分最適化の弊害です。
 それぞれの機能が、それぞれの組織目的の達成のみを目指すことで、失敗を他部門の責任と見なすなど、セクショナリズムが横行します。

 3つ目は、コミュニケーション・ギャップです。この点は前回のご指摘です。
 機能間において、コミュニケーションが必要になりますが、そこに、伝達ミス、伝達遅れなどといった弊害がおきます。

 4つ目は、顧客や現場の感覚を失うということです。
 過度に分業を進めると、顧客や現場と直接関わりを持たない間接人員が増加します。そして、顧客や現場を理解せず、変化から取り残された意思決定が、必要以上にゆっくりと時間をかけて行われます。 
 こうなるとその組織は死に向かって進むしかない、そう言えるわけです。

 個々の機能が、偏狭な視野で仕事をすることで、組織全体が顧客の顔を見ず、部分最適化、社内政治に明け暮れていくのです。

banner