機能系統図
原価計算・原価管理の分野で、活動基準原価計算・管理(Activity Based Costing/Management)というツールがあります。
これは特定の活動、例えば設計活動、段取り替え、部品運搬などといった活動ごとに集計された原価をその活動の消費量に応じて製品に配賦するという考え方が基本としてあり、
更に、活動に集計された原価情報を元に活動量を適正化するなどの視点から原価管理を行おうとするものです。

この活動と似て非なるモノに「機能」があります。
全ての活動には必ず「機能」、つまりその目的が存在します。
ひとつの活動がひとつの機能のためだけに存在するとは限りません。
また、ひとつの機能がひとつの活動だけで満たされているわけでもありません。

そこで機能の観点から原価の発生源を整理しようという考え方が、実はかなり昔から存在しています。

もうおわかりの方も多いかと思います。
VE(Value Engineering)とかVA(Value Analysis)とか呼ばれる手法がそれです。
元々は、製品を構成する部品それぞれの機能を定義し、それらの機能を系統図の形に整理することで機能の体系を明らかにして、大きな改善を実現しようという方法論でしたが、
この方法は部品を業務に置き換えることで、業務改革(改善レベルではなくもっと上位の改革レベルという意味)において大きな成果を出せる可能性があります。

業務を改善するというと、
業務フローを見直したり、コンピュータ化したり、あるいは個人の能率を向上させるためにタイムマネジメントの方法を取り入れたりしますが、
このVE的アプローチではそれ以前に、

◎何故その業務が必要かを考えます。

以前の記事もご参照下さい ⇒ http://sakuramichi.net/herbist/20160126-01/

これ抜きに業務改善をした場合には、下手をすると、
あまり経営に貢献しない業務を効率化する、
極端な表現をすると、「不良品を効率的に大量生産する」ことになりかねません。

VE的な業務改革のアプローチでは、機能系統図(左方向が目的で右方向が手段)に整理された業務の体系は、左側の目的から右に向けて再展開を行います。
そうすることで、目的を達成するための全く異なった手段が明らかになります。
つまり、実施手続き(=How)にメスを入れるまでに、「何をどれぐらいやるのか」というWhatを変えることで劇的な成果を目指すことになります。

今、ある企業でこのようなプロジェクトを進めています。
おそらく、部分的には業務全てが取り除かれたり、半減したりなどという劇的な改革が実現できると期待しています。

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