Panasonic_logo日経新聞1月14日の記事より、

「パナソニックが2017年3月期から、事業部に資本効率の改善を促す独自の制度を導入する。各事業部が一つの企業のように資本金を増減できるようにする。現場に資本コストを意識させ、会社全体の資本効率の改善につなげる狙いだ。」

資本コストを上回るリターンが期待できない場合は資金を返還させる(自社株買いのような感じ)ことで、当該事業部の投下資本に対する収益性を向上させ、同時に資金を必要とする事業部に資金が循環しやすくする、そういう狙いのようです。

上場企業ですから資本コストを意識するのは当たり前、アメリカなどでは大昔から事業部ごとの資本利益率や残余利益(純利益から株主資本コストを控除)を使った業績管理が当たり前でしたから、決して目新しさはありません。

ちなみにこの場合の資本コストは上場企業の場合は、加重平均資本コスト(WACC)が一般的です。
有利子負債に対する税引後の利率(税引後金利)と株主資本に対する資本コストの加重平均ですが、特に後者(株主資本コスト)は業種や企業自身のリスクの度合いによって上下しますが、おおむね10%前後もあり、節税効果もありませんので、WACCは5~10%ぐらいの結構な高率になるのが普通です。

税引後で利益が出れば良いというような甘いものではありません。
要求される資本コスト、つまり目標となるべき投資利回りを得られないような投資は株主の期待に応えられないとして捨て去られることになります。

資本コストはリスクの度合いによって変化します。
この場合のリスクは、変動幅の大きさを言います。
良い時と悪い時の変動幅が大きいことをリスクが大きいと言います。
リスクの大きな事業や企業の資本コストは、リスクに見合ったリターンが要求されますので、当然大きくなります。

つまり、リスクの大きなチャレンジは避けられることになります。

株主の顔を過剰に意識し、短期的に高い投資利回りを得られる事業にのみ投資する、そのことが長期的視点の経営をやりにくくする、1980年代のアメリカが陥った間違いを繰り返さなければ良いと思います。

管理会計の能力を証明する「管理会計検定」、現在お得な先行予約実施中です。
JEIMAロゴ白小