成長

3.目標水準決定の基準

(1)誰が決めるのか?

 さて、ここまで目標設定をする際の指標について述べてきましたが、もうひとつ大事な点が残っています。
 それは、目標の水準をどこに設定するかということです。

 例えば、売上高目標にしても5年後に1.5倍か良いのか2倍が良いのか、
 ROEは何パーセントが良いのか、

 などということです。

 結論を言ってしまいますと、基本的にはそれはトップの鶴の一声ということになります。
 会社が目指す理念実現のためにはそのタイミングではこれぐらい行っていないといけないということです。

(2)基準の2つの考え方

 このような水準の決定方法には大きく2通りの考え方があります。

 ①絶対目標

  売上高目標100億円とかROE12%などといった具合に具体的な数字を目標として掲げるやり方です。

  例えば、社員500人が食っていけるだけの付加価値を生み出す、そのためには売上高は最低200億円は必要などという具合です。

  もちろんこのやり方が一般的なのですが、ひとつ課題があります。
  それは、環境によってはその絶対目標の難易度は高くも低くもなるということです。

  これに対して、もうひとつの考え方があります。

 ②相対目標

  マーケットシェア40%とかROE業界内トップなどという決め方です。
  絶対的な数値ではなく、競合者などとの相対的な位置関係で目標を決めるやり方です。
  マーケットシェア40%は一見絶対目標に見えますが、実はこれは競合社の動きや業界全体の成長性によって左右される相対目標なのです。

  相対目標のメリットは、少なくとも2つあります。

  ・ひとつは環境が変わってもその達成難易度が変化しないということです。

   環境が良くなればその良い環境は競合社も同様に享受することになります。
   例えば、想定される環境下でマーケットシェア40%を得るためには、年商1,000億円必要と予想されたとします。

   その後環境が好転し、年商1,000億円の達成は容易であるが、1,000億円ではマーケットシェア40%の確保は困難と予想される場合、
   年商目標は環境変化に合わせて、例えば、1,200億円などと再計算されることになります。
   環境が悪化する逆の場合も同様です。

  ・競争力は競合社との相対的な位置関係に依存します。

   業界内での位置づけが将来の収益性に大きくかかわることは様々な研究で検証されています。
   その意味で、経営目標を達成するためには、業界内での相対的な地位を上昇させることが重要となります。

   つまり、相対目標の意義が将来的な収益性確保の観点からも意義があるということなのです。

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