日経_革新力今日、日経新聞の「革新力第7部」がスタートしました。

これを機会に、改めて革新に必要なことを整理してみました。

革新に必要なことは何なのだろう?
ひとつは危機意識を醸成すること、現実にそこに存在する危機を意識すると言う意味ではなく、変化しないことそのものが危機なのだと常に意識し続ける風土を持つこと。
ジョン・コッターが企業変革のために最も大事なものとして提示したのがこの「危機意識」でした。

そして、井の中の蛙にならず、外部の異なった価値観やノウハウを取り入れるということ。「うちの会社の常識は世間の非常識」、そんなことになっていないだろうか、そのことをいつも意識できるということ。
更には、外部の新しいものを素早く取り入れるということ。
これらのことにおいて、有効な事、それは言うまでもなく外部との接触の機会を意識して作ると言うことです。

以下、日経新聞の記事より、いくつか引用です。

○インキューブ
社員30人あまりの小所帯のインキューブ。慢性病の治療端末など20を超すベンチャーを生み、半数以上を売却したり上場させたりした。なぜイノベーションが続くのか。
「我々は医薬から化学、製造、ソフト、機械、デザインまで専門家がそろう。異なる分野の人と徹底的に議論するから革新が生まれる」

○ヤフー
社員食堂を外部へ開放したのも、どんなヒントでもつかみ取ろうという姿勢の表れだ。

○武田薬品工業
江戸時代創業の武田薬品工業。今や幹部には外国人の名が並ぶ。「今後は多文化を経験した人材が必要だ」

○不満買取センター
不満の声を消費者から1件10円で買い取る会社が東京都新宿区にある。2012年創業、その名も「不満買取センター」だ。

○四次元ポケットプロジェクト
「望遠メガフォン」は狙った人にだけ声が届く相手との距離を測るレーザー、特定の相手にだけ聞こえやすいスピーカー、紙の上に作る回路。東京、京都、福井、岐阜などの中小企業6社の技術を結集した。

いずれも、「外部に開かれた組織」「多様性の受容」という側面を物語っています。

では、経営者の役割は何なのでしょうか?ここで再び日経新聞より

◎グーグル
「本当に破壊的なイノベーションはトップダウンでは生まれない。どちらかというと農業に近い」。(グーグルで)ブラウザー「クローム」などの開発を担当する副社長のライナス・アプソン(43)は話す。<中略>「マネジメントの役割はよい土を作り、水と日光を十分に与える。よい芽が出たら見逃さずに伸ばすこと」。無料の食堂からスポーツジムまで働きやすい職場作りにこだわる理由はそこにある。

まず、外部に開かれた窓を持ちその変化をいつも意識できる体制を作る
そして多様性を大切にする。

次に、新たな発想が生みだされやすい社風を作る。
社風というソフトは、仕組みや制度といったハードが作りだします。
例えば、上記グーグルのような取り組み、あるいはチャレンジが高く評価される評価制度上下左右に情報が飛び交う組織権限の付与などがそれにあたります。

革新はトップダウンで計画的に作り出すのではなく、知識や知恵が相互作用し、創発的に(注)作り出されるものであり、そのような相互作用を促すお膳立てをするのが経営の役割ということなのだと思います。

(注)創発とは、部分が相互に接触することで相互作用し、複雑に組織化されることで、部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れること

 

皆様からのご意見・ご感想を楽しみにしております。(櫻井)